次の日の朝。
目が覚めて最初に思い出したのは、昨日の夜に届いたメッセージだった。
〈夏井との夏、まだ終わりたくない〉
何度見ても、胸の奥がくすぐったくなるような言葉だった。
スマホの画面を見つめながら、何度もその文字をなぞる。
晴海はどんな気持ちで送ったんだろう。
少しでも私と同じように思ってくれていたらいいのに。
待ち合わせ場所に向かう道は、いつもより少しだけ足取りが軽くて、駅前に着くと、晴海はもうそこにいた。
夏の強い日差しの中、制服じゃない晴海を見るのは少し新鮮。
「夏井」
私に気づくと、晴海が手を上げる。
「待った?」
そう聞くと、晴海はいつものように首を横に振る。
「今来たところ」
絶対違う。そう思ったけれど、なんだか嬉しくて笑ってしまった。
「なに笑ってんの」
不思議そうな顔をする晴海に、なんでもない、と答える。



