青に溶ける、きみ。




その先の言葉が出なかった。『友達に戻りたい』なんて、簡単に言えない。

今まで優しくしてくれた時間も、向けてくれた気持ちも、全部知っているから。



「ごめん……」



結局、それしか言えなかった。涙で視界が滲む。

大塚くんはしばらく黙ったあと、ふっと息を吐いた。



「泣かないでよ。俺、困るから」



そう言われて、余計に涙が増えた。



「大塚くん……」

「ありがとう」



その言葉に顔を上げる。



「ちゃんと考えてくれたんでしょ?それだけで十分だよ」



その優しさが苦しかった。もっと怒ってくれた方が、ずっと楽だったのかもしれない。



「じゃあ、俺帰るね」



そう言って、大塚くんは鞄を持ち上げた。私は、ただ、背中を見送ることしかできなくて。

教室の扉が閉まる音が響く。

静かになった空間で、涙は止まらなくて、机に手をついて俯く。


大塚くんを傷つけたことが悲しかった。優しくしてくれた人を泣かせるようなことをしてしまった自分が嫌だった。