青に溶ける、きみ。




大塚くんと歩く廊下は、いつもなら何気なく通り過ぎる場所なのに、今日は足音まで大きく聞こえる気がした。


何を話しても、どんな言葉を選んでも、きっと傷つけてしまう。

その事実が分かっているからこそ、胸の奥がずっと苦しかった。


一番端の空き教室まで来ると、大塚くんが静かに足を止めた。夕方の光が窓から差し込み、二人の影を長く伸ばしている。



「昨日のことなんだけど、見つけられなくてごめん」



そう言いながら、教室の扉を開ける。



「ううん。私も……ごめん」



大塚くんは少し困ったように笑う。

向かい合ってから、その表情が徐々に変わっていくことに気づいた。



「俺さ、りんご飴のときに気づいてたんだ」

「え?」



大塚くんは窓の外を見るように視線を逸らした。



「夏井がこっちを見てないから、どうしたんだろうと思って視線を辿ると晴海がいたから」



その名前を聞いた瞬間、胸が小さく揺れた。