青に溶ける、きみ。




すぐ隣で声がした。

同時に肩と肩がふわりと触れ合う。


驚いて顔を上げると、夏の灯りを背にした晴海が立っていた。

こんな近くにいたのに、全然気づかなかった。



「ひとり?」

「……っ、晴海」



その名前を口にしただけで、張りつめていた糸が少しだけほどける。


この広い人混みの中で、知っている顔に会えたことがどうしようもなく心強かった。


そして、その相手が晴海だったからなのか、胸の奥に張りついていた不安が潮風にさらわれる砂みたいに静かに崩れていく。



「どうした?迷子?」



少しだけ口角を上げて笑う晴海は、いつも通りで。



「っ、えっと……」



さっきまで泣きそうだったことも忘れて、晴海の顔を見つめてしまう。


こんな状況なのに、その姿を見つけた瞬間、どこかほっとしてしまった自分がいる。



「俺はクラスのやつらと来てたんだけど、はぐれたんだよな。迷子、一緒」



笑う声が、騒がしい祭りの音の中でも不思議とはっきり耳に届く。



「……そうなんだ」



周りを見渡しても、知っている顔はどこにもない。