青に溶ける、きみ。




夕方になり、大塚くんと待ち合わせをして、夏祭りの会場へ向かう。


提灯に灯りがともり始めた道には浴衣姿の人たちがあふれ、焼きそばの香ばしい匂いや甘いりんご飴の香りが風に乗って流れていく。


遠くでは子どもたちの笑い声が響いていて、空は昼と夜の境目をゆっくりと溶かしていた。



「夏井。りんご飴とか好き?」



優しく問いかけてくれる大塚くんの声に返事をしようとして、何気なく顔を上げた、その瞬間だった。



人だかりの向こう。


りんご飴の屋台の隣、そのまた隣。


かき氷の屋台にできた長い列の中に、見慣れた姿を見つけた。



―――晴海だった。



クラスメイトに囲まれながら楽しそうに笑っていて、その隣には浴衣姿の女の子もいる。

夕暮れの柔らかな光を受けた横顔は、やっぱり夏がよく似合っていた。


胸がきゅっと締めつけられる。


……逸らさなきゃ。



そう思うのに、視線は動いてくれない。