大塚くんと晴海。頭の中でその二人が並んだ瞬間、胸がざわつく。
「えっ……もしかして、あの二人って仲悪いの……!?」
「え?」
緑が何か言おうとしたけれど、私は勝手に想像を膨らませてしまう。
「ど、どうしよう……!それなら絶対会わないようにしなきゃ……!」
さっきまで心のどこかで、偶然でも会えたらいいのにな、なんて思っていた自分がいた。
でも、大塚くんと二人で歩いているところを見られるのは、なんだか違う気がした。
それに、もし本当に仲が悪いなら、鉢合わせなんて最悪だ。
「……そうじゃないんだけどなあ」
髪をひと束ずつ丁寧に結いながら、緑は小さくため息をついた。
その呟きは風鈴の音に紛れてしまったのか、それとも私の胸を埋め尽くす雑音が大きすぎたのか、そのときの私は、最後まで気づくことができなかった。



