青に溶ける、きみ。




緑と行くかもしれないと言っておいて、実際は大塚くんと二人で歩いているところを見られたら、どう思われるんだろう。



……いや、きっと何も思わない。


そんなことを気にする理由なんて、あの人にはひとつもない。


そう自分に言い聞かせても、胸のどこかで、小さな期待だけが往生際悪く揺れていた。



「私と大塚くんが一緒にいても、晴海は何とも思わないよね、きっと」



笑ってごまかしたつもりだった。でも、その声は自分でも驚くくらい力がなくて、風に触れたら消えてしまいそうだった。


口にした瞬間、胸の奥がじんわり痛む。


そんなことを確かめたいわけじゃなかった。

ただ、あの人の夏に、ほんの少しでも私が映ることはあるのかな、と。

それだけ知りたかっただけなのかもしれない。



浴衣の袖をそっと握る。

今日、隣を歩く相手は大塚くんなのに、花火が夜空に咲く瞬間、もし願いをひとつだけ許されるなら、その景色を隣で見上げてほしいと浮かぶ横顔は、どうしても違う人だった。