青に溶ける、きみ。





「今日、返事するんだっけ?」

「そう……。浴衣なんて着て行ったら、変に期待させちゃうかなって……。気合い入れてきた、とか思われたらどうしよう」



自分で言っていても情けなくなるくらい弱気な声だった。

緑は髪飾りをそっと差し込みながら、「それは、たしかに勘違いしちゃうかもね」と苦笑する。


そして少しだけ間を置いて、「断るんだもんね?」と、確かめるように私の顔を覗き込んだ。



「うん……。断る、よ」



口にしただけなのに、喉の奥がぎゅっと締めつけられて、息が浅くなる。

大塚くんは優しい人だ。真っ直ぐで、誰にでも分け隔てなく笑えて、きっと隣にいる人を大切にできる人。


あの日、真剣な眼差しで想いを伝えてくれた姿も、何度も思い返した。


そのたびに、「もし違う答えを選べたら」と考えようともした。


少しでもその人を見つめようとしてみた。ちゃんと向き合おうともした。