青に溶ける、きみ。




「夏井って、こういうとこ来るのあんまりない?」

「……分かる?」

「なんとなく」



図星だった。友達とファストフードへ行くことはあっても、こんなカフェに来ることはほとんどない。



「じゃあ、これおすすめ」



大塚くんがメニューを指差す。



「夏限定のレモンスカッシュ」

「レモンスカッシュ?」

「うん。夏って感じするから」



そう言って笑う大塚くんにつられて、「じゃあ、それにしてみようかな」と頷いた。

しばらくして運ばれてきたグラスには薄く輪切りにされたレモンが浮かんでいて、底から細かな泡が絶えず立ちのぼっている。


窓の外ではまだ雨が静かに降っていた。

ガラスを伝う雨粒とは反対に、グラスの中だけが夏の日差しを閉じ込めたみたいにきらきらしている。



「いただきます」



ストローに口をつけた瞬間、しゅわっと炭酸が弾けて思わず肩が揺れた。