「中学も同じだったんだけど、ある日突然――『俺たち、付き合わない?』って。あたしのトラウマなんか、忘れたんだろうね。何もなかったみたいに、何でもなかったみたいに言って――めちゃくちゃ腹が立って……。余計に、かわいいあたしじゃないと、好きになってくれないんだって思って……。でも、もう好きでもなんでもなかったから、断ったんだけど……それでも、もうずっと……今でも、怖いの」
そう言いながら、涙がひとすじ頬を伝う。
あの日の記憶が、一瞬で、目の前に押し寄せる。
叫びたいくらい悔しかった気持ち。
一瞬だったけど、今もあたしを縛りつける。
「あ、たしは……かわいいだけが、取り柄で……それが、あたしの世界で……それだけは、絶対で……」
自分に言い聞かせるみたいに、ひとつずつ、確かめるように。
「それを守ってれば、生きていけるって思ってた。それさえあれば、嫌われないって。捨てられないって」
唇が震える。



