冬の光にヴェールは要らない

「友達が『虹が綺麗!』って喜んでいたら、思っていなくても『そうだね』って共感するのは優しさじゃないの?」

私はまだ壮矢の顔をちゃんと見ている。

逸らすことが出来ないだけかもしれないけれど、ちゃんと目を合わせている。
 
嘘なんかの話を急にするなんて厨二病みたい。

痛々しいし、馬鹿馬鹿しい。

最低な人なんてこの世に沢山いるし、嘘をつく人なんてもっといる。

嘘をついたことのない人の方が少ないだろう。

それでも、そんな痛々しい話をする私から壮矢も目を逸らさなかった。

階段の頂上にいる私と砂浜にいる壮矢の距離は離れているのに、目が合っていることは憎たらしいほどに分かっていた。
 
そんな意味の分からないことを言い放った私は、最後に一番意味の分からない言葉を付け足した。