冬の光にヴェールは要らない

それでも私は最低だから……どこまでも最低だから、壮矢にどうでも良いSNSアカウントを教えた。

そして、何かあればブロックすれば良いと思っている。

どうせブロックすれば良い、縁を切ってしまえば良いと思っているから、その人の「嘘つき」という言葉に腹が立つ。


「嘘ってそんなに悪いこと?」


飛び出した言葉はどこまでも最低だった。

最低な私には似合わないとでも言うように、虹がいつの間にか消えている。

どうか拓人くんにこの会話が聞こえませんように。

こんな大人を見ませんように。どうかこんな大人になりませんように。

「例えば先生に頼まれごとをされて、面倒臭いなと思っていても普通分かりましたって言うじゃん」

もう自分が何を言っているかも分からない。

自分が何を言っているかも分からないくせに、「風が強くて髪型が崩れる」とかどうでも良いことは頭をめぐる。