冬の光にヴェールは要らない

壮矢から少し離れた海際で拓人くんは遊んでいて、まだ私に気づいていない。

「万桜、何かあった?」

拓人くんと壮矢に会いに来ただけかもしれないのに、壮矢は私に何かあったと確信しているような聞き方だった。

そんなにも私は顔に出やすいタイプだっただろうか。

「ちょっと久しぶりに拓人くんの顔が見たくて……」

誤魔化したような笑顔を貼り付けてしまったかもしれない。

そんな私の小さな変化を壮矢は見逃さない。

「嘘つき。辛そうな顔してる」

ああ、駄目だ。やっぱりこの人は危険だ。

私の本心を見抜こうとする。踏み込もうとする。

そして、私の小さな変化を見逃さない。