冬の光にヴェールは要らない

壮矢の投稿は、一枚の写真だけだった。文章はついていない。

一枚の……あの海の写真だった。

虹がかかっている海だった。

誰でも良いから、気を逸らさせて欲しかった。誰でも良いから、何か話したかった。

どこまでも最低な私は、気づいたらもう行きたくないと思った場所に向かって歩いている。

会いたくないと思っていた人に向かって歩いている。
 
あの海に……虹がかかっているあの海に向かって歩いていた。

風が冷たいことすら忘れて歩いていく。

段々と早足になっていく足は、海に着く頃には走るという表現の方が近いほどスピードを上げていた。