冬の光にヴェールは要らない

放課後、私は一人で通学路を歩いていた。

雨はもう上がっているが、コンクリートは濡れていて水溜りが出来ている所もあるので、地面を気にしながら歩いていく。

杏香は部活の日なので、帰り道は別だった。太陽が見え始め、水溜りに反射している。

濡れたコンクリートもキラキラと光っていて綺麗だった。
 
すると、目の前に虹が出ていることに気づいた。

今は部活中の杏香に後で写真を送ってあげようと、私はスマホを取り出す。

しかしスマホを空に向けた瞬間、後ろから声をかけられた。

「万桜?」

私はスマホを降ろして、反射的に振り返っていた。

「やっぱり万桜だー」

前に「久しぶりにまた遊ばない?」と連絡をくれた中学時代の友達だった。

私はパッと笑顔を作る。

自分がこういう時に笑顔を作ることに慣れていることが嫌になる。