冬の光にヴェールは要らない

私はスクールバッグから、スマホを取り出した。

普段使っているメッセージアプリではなく、あまり写真をアップしない自分のSNSアカウントを表示させる。

苺パフェの写真すらアップしなかったアカウント。

中学時代の友人にすら教えているアカウント。

それでもDM機能はついていて、個人で会話することも出来る。
 
私はスマホ画面を壮矢くんに見せつけた。相手の目は見れない。

しかし、相手もスマホを取り出したのが分かった。

私のアカウントをフォローしたようで、フォロワーが一人増えていた。

私はフォローを返しながら、相手のアカウントを確認する。
 
[Sasahara]という名前のアカウントには写真の投稿は一つもなかった。

このアプリをあまり使わないのだろう。

「ふじやま まおさんというんですね」

そう声をかけられてスマホから顔を上げた。

私のアカウント名はフルネームをひらがなにしている。