妹に虐げられて魔法が使えない無能王女は、政略結婚でお飾り王太子妃になるはずなのに俺様王太子に溺愛されています

 ルフェーヌとディエゴの結婚式から数週間が経った。ルフェーヌは昼に庭園でディエゴと待ち合わせをしている。ディエゴが庭園にいるのを確認すると、ルフェーヌは城の窓を開けてディエゴの名前を元気に呼ぶ。
 「ディエゴ!」
 ディエゴがルフェーヌの姿を見つけると、ルフェーヌは窓を乗り越えて庭園にいるディエゴの元へ風魔法の浮遊風(メテオラアネモス)を使って飛んでいく。
 ディエゴは飛んで来たルフェーヌをお姫様抱っこで受け止める。
 「ルフェーヌ。また飛んでいるな。魔法が使えて嬉しいのは分かるが、俺の前だけだからな」
 ルフェーヌは以前から使いたかった魔法を習得してディエゴの前でよく飛んでいる。ディエゴが言うように以前はディエゴ以外がいる場所でも飛んでいたが、ディエゴに注意されてからはディエゴの前でしか飛んでいない。
 「は~い」
 ルフェーヌは何度目かの注意をされて返事をする。
 「ルフェーヌが飛んでいると本当に妖精みたいだな」
 ディエゴはルフェーヌを見つめ、飛んでいるルフェーヌを思い出して呟く。
 「ディエゴは妖精を見たことがあるの?」
 「俺の目の前にいる」
 ディエゴはルフェーヌを見つめながら質問に答える。ルフェーヌは顔を赤くしてディエゴを見つめる。
 「俺だけの可愛い妖精(ドルチェファータ)、愛している」
 ルフェーヌはディエゴに色香を含ませた甘い声で囁かれ、期待で頬を染めて瞳を閉じる。
 ディエゴの唇がルフェーヌの唇に触れる。ルフェーヌは唇が離れないようにディエゴの首に腕を回す。
 ディエゴは庭園でルフェーヌへ何度もキスを繰り返し、二人は微笑み合って青い火の粉を舞い散らしていた。



おしまい