二人を乗せた蒸気車が大聖堂に着くと、その前には全世界の国民が集まったかのような数え切れないくらい大勢の人がルフェーヌとディエゴの結婚式を見学にやってきている。強国の結婚式という事もあり、注目度が高い。
ルフェーヌとディエゴが蒸気車から降りると国の広報部や新聞社など何万人から写真を撮られる。
大聖堂の扉の前でディエゴはルフェーヌのベールを下ろして、二人でバージンロードを歩き出す。
当初はバージンロードをディエゴとではなく、ルフェーヌの父、ジスランと一緒に歩く予定だったがルフェーヌの希望で変更になった。ルフェーヌはこれからの人生をディエゴと共に歩くという意思表示だった。
ルフェーヌは純白のベルラインドレス、五メートル以上あるロングトレーン、髪をハーフツインにして豪華なプリンセスティアラと髪飾りを付けてルフェーヌの父や各国の参列者が見守る中、ディエゴと一緒にバージンロードを歩いている。
アデルも二人の結婚式に参列しているが、機嫌が悪い表情をしてどこかを見ている。アデルは参列したくなかったが、ルフェーヌとは”仲良し姉妹”であるため、参列しなければならなかった。
式は滞りなく進んでいく。
ルフェーヌとディエゴは「誓います」と答えて永遠の愛を誓う。続いて指輪の交換、誓いのキスをして二人は夫婦となった。幸せそうに笑うルフェーヌとディエゴを見て、アデルは幸せそうな二人を見ていると苛立って吐き気がしてきた。
式が終わり、二人は退場をする。ルフェーヌはディエゴと腕を組んで参列者の前を歩いて行く。
二人が参列者の前を通り過ぎると青い光が舞い降りてくる。
「雪?」
「雪にしては青く光っているような」
参列者が疑問に思い、口々に発する。青い光はディエゴの青い炎の火の粉だ。
アデルはルフェーヌの背中を睨んでいると、周りがざわついている青い光が視界に入る。
「何これ?」
アデルは結婚式の演出と思い、目の前を舞い落ちる青い光を邪魔そうに手で払う。アデルの手に付いた青い光が雪のように溶けて消えた。青い光からほのかな暖かさと幸せを感じる。払いきれないほど舞い落ちる青い光はアデルや他の参列者に降り注いでいる。
「なによ、これ……」
手で払う事ができず、降り注ぐ青い光を浴びてしまっているアデルは青い光から感じる多幸感に驚愕の表情をする。その多幸感からルフェーヌとディエゴの幸せが伝わってくる。
アデルは青い光から愛し合うルフェーヌとディエゴの今までの事と結婚式を挙げて結ばれた幸せで満ちあふれているのを感じる。そこには地位や名誉も関係なく、結ばれた二人の喜びと幸せだけがあった。
純粋な二人の気持ちはアデルの何かの感情に触れた。
アデルはあの日からずっとどうやって二人に仕返しをしてやろうかと考えていた。
アデルは事件を起こして「ルフェーヌの幸福によって許された」というのが気に入らなかった。むしろ処罰された方がよかったと怒りに任せてそう考えていた。
時間が経って冷静になると、処罰されなければ今まで通りに王女を続けられる。魔法が使えなくなり、十一億を失い、慈善活動という嫌な事をしなければならなくなったが、自分がルフェーヌとディエゴにしたことは何もなかったことになる。
アデルは右手、手のひらの火傷のような痕を見ながら、昔の事を思い出していた。
幼い頃から可愛らしくお淑やかなルフェーヌは魔法が使えないと分かるまで周りから可愛がられていた。アデルはルフェーヌとは正反対で気が強くて活発な性格だった。アデルは理想の王女のようなルフェーヌが羨ましかった。
ルフェーヌは魔法が苦手で、ほとんどの魔法が使えなかった。その原因は魔法力が弱いという意見もあった。アデルはその事を知ると、それについてルフェーヌを責めた。
母が心労を患って亡くなったのもルフェーヌのせいにした。母は言わなかったが、ルフェーヌを魔法力が弱い子に産んでしまった自身を責めているのをアデルは知っていた。
ルフェーヌと母に距離ができた。アデルは母を支えながらルフェーヌをけなしていった。
母は倒れる前にアデルに「ルフェーヌと仲良く、助け合ってね」と言っていた。アデルは同意するふりをしたが、その願いは絶対に聞けなかった。
母の関心は姉のルフェーヌであった。距離ができてもずっと気にしていた。アデルは二の次だった。
アデルは母が亡くなった後に母の侍女から手紙を受け取った。その内容は素直に受け取れなかった。でも今なら受け取れる気がする。
ルフェーヌは王太子妃になって幸せになったのではない。ディエゴと結ばれたから幸せになった。
アデルは最後にルフェーヌと会った時の事を思い出す。あんなに怒りと拒絶を露わにするルフェーヌを知らなかった。アデルは初めてルフェーヌに恐怖した。
アデルは強国の王太子妃の座が惜しい気持ちは消えていない。しかし青い光を浴びていると、ルフェーヌとディエゴは王太子と王太子妃の前に愛し合う夫婦なのだとアデルに強く感じさせられる。
「あたくしが器の小さい女みたいじゃない。人の幸せを妬んでいる方が馬鹿らしくて惨めだわ」
アデルは絶対に言いたくなかった事を心の中で呟く。
(あたくしの負けよ)
アデルはディエゴと一緒にバージンを歩き、小さくなったルフェーヌの背中を見つめながら声に出して呟く。
「ご結婚おめでとう、ルフェーヌお姉様」
アデルは祝福の拍手を送り、ルフェーヌを見送った。
ルフェーヌとディエゴは大聖堂を出て、集まっている国民たちに満面の笑顔で手を振っている。そこにもディエゴの青い火の粉が光となって舞い降りている。
「ルフェーヌ、愛している。永遠に俺のそばにいろ」
「わたしもディエゴ様を愛しています。ずっと、永遠に一緒にいます」
ディエゴの青い光は愛と幸せの象徴として語り継がれた。ルフェーヌとディエゴはいつまでも仲良く幸せに暮らし、二人で一緒に国を治めていきました。
ルフェーヌとディエゴが蒸気車から降りると国の広報部や新聞社など何万人から写真を撮られる。
大聖堂の扉の前でディエゴはルフェーヌのベールを下ろして、二人でバージンロードを歩き出す。
当初はバージンロードをディエゴとではなく、ルフェーヌの父、ジスランと一緒に歩く予定だったがルフェーヌの希望で変更になった。ルフェーヌはこれからの人生をディエゴと共に歩くという意思表示だった。
ルフェーヌは純白のベルラインドレス、五メートル以上あるロングトレーン、髪をハーフツインにして豪華なプリンセスティアラと髪飾りを付けてルフェーヌの父や各国の参列者が見守る中、ディエゴと一緒にバージンロードを歩いている。
アデルも二人の結婚式に参列しているが、機嫌が悪い表情をしてどこかを見ている。アデルは参列したくなかったが、ルフェーヌとは”仲良し姉妹”であるため、参列しなければならなかった。
式は滞りなく進んでいく。
ルフェーヌとディエゴは「誓います」と答えて永遠の愛を誓う。続いて指輪の交換、誓いのキスをして二人は夫婦となった。幸せそうに笑うルフェーヌとディエゴを見て、アデルは幸せそうな二人を見ていると苛立って吐き気がしてきた。
式が終わり、二人は退場をする。ルフェーヌはディエゴと腕を組んで参列者の前を歩いて行く。
二人が参列者の前を通り過ぎると青い光が舞い降りてくる。
「雪?」
「雪にしては青く光っているような」
参列者が疑問に思い、口々に発する。青い光はディエゴの青い炎の火の粉だ。
アデルはルフェーヌの背中を睨んでいると、周りがざわついている青い光が視界に入る。
「何これ?」
アデルは結婚式の演出と思い、目の前を舞い落ちる青い光を邪魔そうに手で払う。アデルの手に付いた青い光が雪のように溶けて消えた。青い光からほのかな暖かさと幸せを感じる。払いきれないほど舞い落ちる青い光はアデルや他の参列者に降り注いでいる。
「なによ、これ……」
手で払う事ができず、降り注ぐ青い光を浴びてしまっているアデルは青い光から感じる多幸感に驚愕の表情をする。その多幸感からルフェーヌとディエゴの幸せが伝わってくる。
アデルは青い光から愛し合うルフェーヌとディエゴの今までの事と結婚式を挙げて結ばれた幸せで満ちあふれているのを感じる。そこには地位や名誉も関係なく、結ばれた二人の喜びと幸せだけがあった。
純粋な二人の気持ちはアデルの何かの感情に触れた。
アデルはあの日からずっとどうやって二人に仕返しをしてやろうかと考えていた。
アデルは事件を起こして「ルフェーヌの幸福によって許された」というのが気に入らなかった。むしろ処罰された方がよかったと怒りに任せてそう考えていた。
時間が経って冷静になると、処罰されなければ今まで通りに王女を続けられる。魔法が使えなくなり、十一億を失い、慈善活動という嫌な事をしなければならなくなったが、自分がルフェーヌとディエゴにしたことは何もなかったことになる。
アデルは右手、手のひらの火傷のような痕を見ながら、昔の事を思い出していた。
幼い頃から可愛らしくお淑やかなルフェーヌは魔法が使えないと分かるまで周りから可愛がられていた。アデルはルフェーヌとは正反対で気が強くて活発な性格だった。アデルは理想の王女のようなルフェーヌが羨ましかった。
ルフェーヌは魔法が苦手で、ほとんどの魔法が使えなかった。その原因は魔法力が弱いという意見もあった。アデルはその事を知ると、それについてルフェーヌを責めた。
母が心労を患って亡くなったのもルフェーヌのせいにした。母は言わなかったが、ルフェーヌを魔法力が弱い子に産んでしまった自身を責めているのをアデルは知っていた。
ルフェーヌと母に距離ができた。アデルは母を支えながらルフェーヌをけなしていった。
母は倒れる前にアデルに「ルフェーヌと仲良く、助け合ってね」と言っていた。アデルは同意するふりをしたが、その願いは絶対に聞けなかった。
母の関心は姉のルフェーヌであった。距離ができてもずっと気にしていた。アデルは二の次だった。
アデルは母が亡くなった後に母の侍女から手紙を受け取った。その内容は素直に受け取れなかった。でも今なら受け取れる気がする。
ルフェーヌは王太子妃になって幸せになったのではない。ディエゴと結ばれたから幸せになった。
アデルは最後にルフェーヌと会った時の事を思い出す。あんなに怒りと拒絶を露わにするルフェーヌを知らなかった。アデルは初めてルフェーヌに恐怖した。
アデルは強国の王太子妃の座が惜しい気持ちは消えていない。しかし青い光を浴びていると、ルフェーヌとディエゴは王太子と王太子妃の前に愛し合う夫婦なのだとアデルに強く感じさせられる。
「あたくしが器の小さい女みたいじゃない。人の幸せを妬んでいる方が馬鹿らしくて惨めだわ」
アデルは絶対に言いたくなかった事を心の中で呟く。
(あたくしの負けよ)
アデルはディエゴと一緒にバージンを歩き、小さくなったルフェーヌの背中を見つめながら声に出して呟く。
「ご結婚おめでとう、ルフェーヌお姉様」
アデルは祝福の拍手を送り、ルフェーヌを見送った。
ルフェーヌとディエゴは大聖堂を出て、集まっている国民たちに満面の笑顔で手を振っている。そこにもディエゴの青い火の粉が光となって舞い降りている。
「ルフェーヌ、愛している。永遠に俺のそばにいろ」
「わたしもディエゴ様を愛しています。ずっと、永遠に一緒にいます」
ディエゴの青い光は愛と幸せの象徴として語り継がれた。ルフェーヌとディエゴはいつまでも仲良く幸せに暮らし、二人で一緒に国を治めていきました。

