「……おまたせ、啓、それに夕香里と……水瀬さん?」
二人の会話を横目で眺めていると、最後の一人として琥珀君がゆっくりこちらに歩いてきた。
「霧島!バックレられたのかと思ったよ」
「そんなことしないよ、友達との約束なのに…」
真堂は琥珀君の言葉にあっはっはっ!と面白おかしく笑うと、馴れ馴れしく琥珀君の肩に腕を乗せた。
「そう、そうだな!霧島、俺達は"親友"だもんな」
「…?うん、だからドタキャンとかしないよ」
「くっくっ…いやぁ、愉快愉快……そんじゃ、早速行くとする、」
「あ、その前に……」
琥珀君が思い出したかのように真堂に待てをかけると胸ポケットの中からお守りのような物を渡してきた。
「琥珀君、これは?」
「お守り……なにかあったらいけないなって思って…」
「ちょっとアンタ、マジで幽霊とか信じてるタイプ?いい歳してシャレなんないよ」
水瀬ちゃんが煙たがるように手を顔の前で振るが、なんだかんだ言いつつお守りは受け取ってるみたいだ。
お守りをジッと見つめてギュッと握る水瀬ちゃん。
……というか、そもそも幽霊を全く信じてないなら、この会に参加する意義が無くなると思うんだけど…
「サンキュー!じゃ、霧島からの加護を受けたことだし、旧校舎の中にレッツゴーだ」
ライトを手に持ち、先陣を切って行こうとする真堂に、水瀬ちゃんは慌てて横に着いて行く。
私も琥珀君と目を合わせ、真堂の後に続くように旧校舎に足を踏み入れた。


