気まぐれ王子と召使い


夜の丁度9時頃。


見回りの先生にバレないように慎重に旧校舎の門まで来ると、突然バッと光が照らされた。



「うわっ!!す、すすすすみません!!」



思わず何度もペコペコと頭を下げていると、頭上からはケラケラと楽しそうな笑い声が聞こえてきた。



「ははっ!よう山吹、俺だよ俺」



聞き馴染みのある声に心臓をバクバクと響かせながら光の元を見てみると、人を食ったような顔で笑っている真堂と、もう1人久しぶりに見た顔がそこにあった。



「し、真堂かぁ……それに、水瀬ちゃんも……」


「久しぶり、山吹。相変わらず冴えない顔してるわ」


水瀬澄佳。
茶髪ショートの綺麗な髪に小柄で華奢な身体の可愛い顔をしたその子は、私の事が大層気に入らないらしい。

真堂の隣で髪を手でなびかせ、ふん、と不機嫌そうに鼻を鳴らしている。