気まぐれ王子と召使い



「世那ー!会いに来たぞーって、あれ?夕香里ちゃん、世那は?」


「……さぁ、どこだろう……」



昼休み、いつものように甲斐君が教室に来る。

なんだか気まずくて甲斐君の顔をまともに見れないまま応えると、「またサボってんのかー」と困ったようにオレンジ色の頭をかいた。



「最近の世那ちょっと機嫌悪そうだしなー、どうしたもんか…」


「…………うーん……」


「……夕香里ちゃん、世那となんかあった?」



え?と思わず甲斐君の顔を見ると、見たこともない微妙そうな、なんとも形容しがたい顔をしていた。



「いや、ずっと気まずそうな顔してるからなんかあったのかなーって……違ったらごめん!」


「……あったと言えばあった、けど……」


「マジか!?まぁどうせ世那が変な事言ったんだろうけど…夕香里ちゃん、世那の言うことは全然気にしなくて良いから!」


「う、うーん……そうするようにしたいけど…」


「絶対!ぜーったい!本心じゃないから!多分ジェラって勢いで酷いこと言っちゃっただけだから!」



そんなこと、私が一番よく分かってる。

世那が勢いで度が過ぎたことを言ってしまったって言うのは分かってる、けど。