気まぐれ王子と召使い




世那と口論になった次の日。

いくら世那の言葉が気に入らないと言えど、完全に見捨てるには世那に対して情が湧きすぎてしまっている。

私から顔を逸らして視界に入れないようにしている世那に苛立ちを覚えるものの、それでもお弁当は作ってきてあげた。


なのに世那は、私が世那の机の上に弁当を乗せると煩わしそうに雑に私の机に放り投げた。



「ちょっと……!いい加減にしてよ!」



いくらなんでも自分勝手すぎる。

思わず声をあげて言うと、世那は気だるそうに私を見つめた。



「話しかけてんじゃねぇよ」


「なっ……そんな言い方……」


「お前が作ってきた飯なんて食いたくねぇっつーの」



目の前が真っ白になる。

世那は朝に人の為に弁当を作るのがどれほど大変か分かっているんだろうか。
それもほぼ毎日。

世那が感情的になって言ってるのは分かってるけど、私の行動全てを否定されたような気分になった。


「……もういい、明日から作って来ないから」


「そーしてくんない?鬱陶しいから」


「…………」



そう言うと世那は私とは目を合わせずに荒々しく教室から出て行った。

周りのクラスメイトは私と世那の様子をヒソヒソと話しているようだが、そんな事はどうでもいい。


(……世那……)


胸の中が一気に空っぽになった気がして、私はその場に立ち尽くすことしか出来なかった。