気まぐれ王子と召使い

「おっはよー、世那ー」



教室の扉からこちらを覗いているのは甲斐君だ。



「また今日も懲りずに来たのか馬鹿頭」


「まーまー、今日は話したいことがあって…」


「毎回それ言ってんじゃねーか」


「こ、今回はちゃんとした用事だから!」



そう言うと、甲斐君はコホン、と咳払いをした。



「いやさ……もう少しで中間テストがあんだろ?だから世那か夕香里ちゃんに勉強教えて貰いたくて……」


「いいぜ」


「まー、ダメだよなぁ、そうだよなぁ……ってええ!?良いのか!?」


思わぬ快諾に私と甲斐君は二人で目を見合わせるも、世那はあっけらかんに言葉を続けた。



「たまには馬鹿の面倒を見てやるのも良いさ。勿論召使いも来るよな?」


「え?良いけど……珍しいね、世那君がノリ気なんて」


「そういう気分なんだよ。それに、今やってるゲームもクリアさせたいし」



あ、絶対それが本命だな。

そう言えばちょっと前に2人プレイ専用ゲームを買ってたから、勉強会と称してそのゲームをやらせる気なんだ。

そんなことは露知らず、甲斐君はやったー!と無邪気に喜んでいる。

まぁ世那好きの甲斐君の事だから、ゲームをするってなっても喜びそうだしいっか。



「今日は!?世那!今日の放課後にしよう!」


「これまた急な……」


「まーまー、落ち着きたまえ派手頭くん。気が向いたらまた声を掛けてやるから」



いつもなら気が変わって‪別の日になる事が多いけど、今日の世那の機嫌の良さならいけそうな気もする。

それも、放課後になってみないと分からないんだけどね。