気まぐれ王子と召使い

そんな私の思い等露知らず、世那は愉快そうに会話を続けた。



「なにがカラオケ王決定戦だよな?ちょっと口説かれたぐらいでノコノコと着いてくる女なのによ」


「それは世那だから着いてくるんじゃない?」


「当たり前だろ。あ〜あ、野郎共があの女の為に必死にラブソングを歌うと思うと笑えてくるわー」



こんなにも性格が捻じ曲がっていると言うのに人気があるのは、やっぱり顔が良いからなんだろうなぁ。

焦茶の滑らかな髪に健康的な白い肌。
本人の性格とは正反対な、曇りのない美しく透き通った瞳。

顔だけ取ってみても芸能界で天下取れる容姿なのに、それに加えてモデルみたいにスタイルが良いんだからズルいことこの上ない。

容姿の欠点は何一つない。けど、それ以上に性格に難があると思う。


私から弁当箱をひったくると、世那は床に座り込みお弁当をパクパクと食べ始めた。

仕方なく私も隣に腰を下ろし、自分の弁当を食べ始める。



「美味しい?」


「ん〜、78点」


「辛口だなぁ…」


「卵焼きはもっと甘い方が好みだって前に言ったろ」


「私はそこまで甘くない方が好きなの」


「言い訳ばっかー」



せっかく作ってきてやってるのに、毎回ワガママばっかり。

ムカムカとしながら弁当を食べてると、世那は「じゃあさー」と言葉を紡いだ。



「俺から100点貰えたら良いものやるよ」


「良いものって、どんなもの?」


「それは取ってからのお楽しみ」



目を細めてクツクツと笑う世那に、私は首を傾げて苦笑するだけだった。