気まぐれ王子と召使い


「世那〜、久しぶりに会いに来たぞー」



昼休み。

甲斐君がどことなく控えめな様子でドアから顔を出すと、世那は気にした様子もなく手をヒラヒラと振った。



「あれ?今日は機嫌良いな…てっきり霧島の事があるからまだ機嫌悪いのかと」


「西宮と女男の噂の旬は過ぎたんだよ。もう鮮度が悪くなったから食えねーわ」


「じゃあ脅すっていうのも無しに?」


「あんな奴に俺の時間を割く方が勿体無いし」



よし!と甲斐君は嬉しそうにガッツポーズを取った。

琥珀君の噂を持ってきた時に結構後悔してそうな雰囲気があったから、世那の心変わりに救われたのだろう。



「いやー良かった!俺とんでもなく余計な噂持ってきちゃったって超後悔してたから!」


「でもここに来たって事はその"噂"の一つや二つ持ってきたんじゃねーの?」


「ま、それはそうなんだけどな!今回は結構面白そうな話題持ってきたぜ」


「言ってみろよ」



世那は試すような視線を甲斐君に向けると、甲斐君は自信を持って話し始めた。