気まぐれ王子と召使い

『俺がどれだけお前のことを考えていたと思う?』



そんなの知るわけない。



『朝起きた時も』


『朝食を食べる時も』


『お前の作った物を見る時も』


『授業中も』


『寝る前も』


『他の女と、セックスしてる時も……』



『ずっとずっとずっとずっとずぅっと、お前のことだけを考えていたのに』



電話越しに聞こえる息遣いが段々と荒くなっていくのが分かった。



『どれだけ想えば報われる?俺はずっと辛かった、夕香里とひとつになりたくて仕方なかった。お前のためにずっと我慢してたんだ、お前が大切だったから、』


『こんなにも、』





『こんなにも、お前を愛してるのに……どうして分かってくれないんだよ、』




嘘だ、なんて言えなかった。


分かってたはずだ、彼の私を見る目がそういう情を孕んでいたことぐらい。


でも、それを認めてしまったら全て崩れてしまいそうで怖かった。