気まぐれ王子と召使い

昼休みの最中。


我が物顔で廊下を歩く世那と、少し距離を取って歩く私、そして、罪悪感からか居た堪れない顔で世那の後ろを歩く甲斐君。

私達は今2組に向かっている。



「世那ー、揉め事だけは勘弁してくれよ?俺は別に霧島に恨みがある訳じゃないからさ…」


「なんだよ、そんな文句言うなら俺に着いてくんなよ。元々お前は呼んでねーだろ?」


「いやぁ、流石に他人事じゃねぇから……」



終始気まずそうに頬をかいてる甲斐君。

ただ面白そうな話題を話しただけで、ここまで事が動くとは甲斐君も不本意だろう。


そんな甲斐君の言葉なんて聞こえてないように、世那は2組の教室の扉を勢いよく開けた。


教室の中は一瞬静まり返り、全員の視線が世那の方へと向かれた。
世那が入ると教室内の空気がピンと張り詰めた。特に男子生徒たちは目を合わせることすら避けている。

2組全体が緊張感で覆い尽くされているのがひしひしと伝わってくる。


そんな最中、世那は適当に近くの席の女の子を指さすと、馴れ馴れしく話しかけた。



「おーい、そこのアンタ」


「……えっ!?わ、私……?」


「そう、キミ。霧島琥珀とかいう女男どこ?」



私と甲斐君は扉の前でオロオロと世那の奇行を見守るしかない。