気まぐれ王子と召使い


「お前さ、どんだけ俺のこと心配なの」


「心配っていうのもあるけどさ……世那さんには似合わないかなって……」


「じゃあ、俺に似合うのってなに?」


「に、似合うの、かぁ……」



そう言われると言葉に詰まる。

世那は酒蒸しを食べながらも私の言葉を待っているみたいだった。

世那に似合うの。

自由、わがまま、笑顔、ずるい、かわいい、太陽、晴天…

(なんか、抽象的なのしか思いつかないなぁ…)


少なくともお酒や煙草が似合うなんて一回も思ったことがない。


「なんだよ、一つも出てこないのかよ?」


少し拗ねたように唇をムッとさせる世那に慌てて言葉を捻り出す。


「え、えっと、ほら!世那さんって良い意味で若々しいイメージがあるから、あんまりそういう大人がする事をしてるイメージがなくてさ…」


「要はガキだって言いたいんだろーが、ばーかばーか」


あ、それは凄いいつもの世那っぽい。

顔を真っ赤にしながら一生懸命罵倒してくる姿は、紛うことなき世那のイメージそのものだ。

お酒を飲んだからと言って、どうということはない。