気まぐれ王子と召使い



「ムっっカつく!!あんな奴のなにが良いのよ!甲斐も須藤もアンタも!!」


「そんなに怒らないで……今回の件は特別誰かが悪いわけじゃないから…」



教室の外でブーブーと文句を垂れる水瀬ちゃんを必死で宥める。

でも実際須藤さんはあんなに冷たくされてたのになにが良かったんだろう。



「私は元から須藤が好きじゃなかったのよ。良い子ちゃんぶってて、空気読めなくて、人の好意を当たり前と思ってる所が心底ムカつく」


「そう言っても、須藤さんだって悪気がある訳じゃないから…」


「悪気が無いならなに言っても良いわけ?須藤のやつ、さっきうちのクラスに来たと思ったら泣きながら甲斐に昨日の出来事報告しに来てたんだから」


おぉ……と何とも言えない声が出てしまう。

好きな子が自分の友達に振られたと言うことを泣きながら話しに来るなんて、甲斐君からしたらかなりヘビーな状況だ。

いくら甲斐君の詰めが甘かったとは言え、そこまで不憫だと流石に可哀想だと思う。



「それはなんとも惨い……」


「でしょ!?甲斐が須藤のこと好きなのは分かりきったことだったから、みーんなドン引き!本当ありえない!!どれだけ空気読めないんだっつーの!」



わざわざ別のクラスに愚痴りに来るぐらいだから水瀬ちゃんもよほどムカついてるんだろう。