気まぐれ王子と召使い



「おい世那!!机に足を乗せるな!!」



パァン!!と教科書を教卓に叩きつける北川先生に思わず体がビクッと震える。


(ほら言わんこっちゃない!)


「あー?これが一番楽な体勢なんだからしょーがないじゃん」


「お前……っ!先生に対してなんて口の利き方をするんだ!どうやら前回の停学からはなにも学べてないようだな…」


「学んでるよ、前の停学のおかげで北ちゃんは万年カルシウム不足って事が分かったからさー」



クラスの皆は世那の発言にドッと笑い声を響かせているが、私は気が気ではない。

この調子だと次の停学までのスパンが早そうだ。

北川先生は世那の発言に顔を真っ赤にして手をワナワナと震わせている。



「こんのガキ…っ!!世那ァ!!今日という今日は許さんぞ!!」


「まーた顔真っ赤にしてるよ。どうやら北ちゃんは前回の停学から何も学べてねーみたいだなー?」


あははははっ!とクラス中が笑い声で包まれると、今度こそ我慢の限界が来たのか北川先生は鬼の形相になりながら物凄い勢いで世那の方に走って行った。

椅子から立ち上がると、世那はそれをヒョイっと躱し、走って教室の扉から飛び出して行ってしまった。


「待てェ!!」


「待てって言われて待つ馬鹿がどこにいんだよ!」



北川先生も教室から飛び出すと、廊下を全速力で走る音がクラス中に響き渡った。

相変わらず自由奔放というか、無邪気というか。

ザワザワとした雰囲気の中で、関係のない私がなぜか居た堪れない気持ちになった。