気まぐれ王子と召使い


チラリと須藤さんの顔を横目で見ると、世那の寝顔をポーっとした顔で眺めている。



「にしても、世那君って本当に芸能人みたいにカッコいいんだね…噂でしか聞いたことなかったからびっくりしちゃった」


「そんなに世那さんの噂って流れてるんだね」


「うん、女の子達は皆噂してるよ。王子様みたいな顔してるけど、女たらしで気まぐれだって。だから、うちのクラスでも世那君のファンとアンチで結構分かれてるんだー」



楽しそうに話す須藤さんに私と甲斐君は頬を引き攣らせた。

世那のこと嫌いな人はとことん嫌いそうだからなぁ。
早崎なんかはその筆頭だろう。



「でも、私ね、世那君のこと嫌いじゃないよ」



キラキラした目で世那を見る須藤さんは、まるで。


(……これ以上のことを考えるのはよそう)


世那の寝顔を見ながら、甲斐君の恋が成熟するのを他人事のように祈った。