気まぐれ王子と召使い


「俺の大の友達の涼井世那!須藤ずっと話してみたいって言ってたからさ!」


「……どーもー」



全くやる気のない気怠げな挨拶だ。



「あ、は、初めまして!うわ、初めてこんな間近で見たかもー!」



そんな世那の反応も構うことなく少し顔を紅く染めてチラチラと世那の方を見る須藤さんに内心ヒヤヒヤする。

これ本当に紹介して大丈夫だったんだろうか。



「それで、こっちが世那と凄く仲が良い山吹夕香里ちゃん。料理上手で優しい子だよ」


「あっ、は、初めまして、須藤さん……山吹です……」


「初めましてー!須藤千穂です!甲斐からは二人の話すっごい聞いててー、話してみたいって思ってたんだ!」


人の良さそうな話し方と可愛らしい笑顔だ。

これは甲斐君じゃなくても落ちてしまいそうだなーと須藤さんの眩しさに惚れ惚れしていると、世那が私の背中をツンツン、と指で軽くつついた。



「?どうしました世那さん」


「もう行こうぜ、ちゃんと挨拶したし」


「あっ、そうします?」


一言しか会話してないのになんだか悪いな、と思いつつも、これ以上須藤さんが世那と話して気になられても困る。


「世那さんがちょっとやることあるみたいなので…」と遠慮がちに切り出すと、須藤さんは少し勿体なさそうな顔をした。



「そっかー、それなら仕方ないよね〜……またね、山吹さん!それに…世那君!」


「またなー、二人とも!今日はありがとう!」



笑顔で手を振る須藤さん達に遠慮がちに手を振り返す。

世那は横目で二人を見据えると、緩く手を上げるだけに留めた。