気まぐれ王子と召使い


「?甲斐君になにかメッセージでも送るの?」


「おー。試しに"今から中庭に来い"って打ってる」


「きゅ、急だなぁ……」


「前ならそれでも来ただろ?」


まぁ、それは確かにそうだ。

この前5組に行った時は元気そうではあったが、なにかあったのだろうか。


すると、世那の携帯がピコン、と音がなった。



「お、来た。えーっと……"ごめん世那!今日は無理かも!マジごめん!また改めて話すから!"……だとさ」


「改めて話すって、行けない理由をってこと?」


「そんなの俺は知らねーよ。まぁ、来れないなら来れないで別に構わねーけど?お前に言われるまで居ないの忘れてたし」



そう言って世那は中庭のベンチに寝転がった。
相変わらず素直じゃないなぁ、と内心ほくそ笑む。


「世那さんお昼寝ですか」


「そー。時間になったら起こせよ」



世那は瞼を閉じて腕を枕にすると、しばらくしてからスースーと穏やかな寝息が聞こえてきた。

寝ている姿はただただ無垢で、それでいて美しく映る。


せめてこの姿が見れるのは私ぐらいで良いと、嫌な感情が胸の内を占めた。