気まぐれ王子と召使い


「お前を殴った早崎って奴が居るだろ?あいつもお前の中学時代の秘密を知ってるような口ぶりだったぜ」


「…………」


「早崎が知ってるってことは、桜木先輩も知ってる可能性があるよな?バラされないよう用心しとけよ」



真堂はそう言うと、世那の肩を軽くポンポンと叩いた。
世那は気分が悪そうに真堂に触れられた所を軽く払うと、忌々しく舌打ちをした。



「真堂ー、場所変えない〜……?コイツらと食べるのだけはマジ勘弁してー……」


「なんだよ、水瀬が最初に屋上に行きたいって言い出したんだろ?」


「そーだけど、涼井達が居るなんて聞いてないし……あ、そーだ!琥珀のクラスで食べれば良いじゃん!琥珀とも話したいことあったんだよねー」


名案とばかりに手を叩いて、水瀬ちゃんは真堂の腕を引いた。

真堂は特に抵抗する事もなく、素直に立ち上がり屋上の扉へと連れて行かれた。



「あ、し、真堂……!」


「山吹、涼井。悪いな、また今度」



まだ聞きたいことがいっぱいあったのに。

ヒラヒラと適当に振られた手に思わず立ち上がりそうになると、横から勢いよく私の腕をグイッと引っ張られた。



「うわっ!」


どたん、と音を立てて地面に尻もちをつく。

鈍痛に顔を歪ませる。
すると、世那は私の腕を引きギュッと強く握った。