「げっ、アンタらなんで居んの……」
それはある日の昼時だった。
いつものように世那と二人で屋上にいると不意に扉が開く音が聞こえる。
二人で扉の方に目を向けると、げんなりした顔の水瀬ちゃんと涼しげに笑う真堂の姿があった。
「よう山吹。それに、涼井も」
ニコリと笑う真堂に敵意は全く見られない、が、相手が悪い。
(せ、世那……)
世那は今でも人を殺せてしまうんじゃないかってぐらい冷えきった目で真堂を見つめている。
和やかな雰囲気が、世那一人のせいで一気に氷点下にまで下がったような感じがする。
流石の水瀬ちゃんもこの嫌な雰囲気を感じ取って居るのか、少し心配そうに真堂を見ている。
この空気感に耐えきれなくて、なんとか話題を振ろうとわざとらしく咳払いをしてみる。
「ゴホッ、み、水瀬ちゃん達奇遇だね……ど、どうして屋上に……?」
「あ、アンタには関係ないじゃない…」
「水瀬がどうしても屋上で昼飯食いたいって言うからさ」
「ちょっ、真堂!」
顔をポッと真っ赤にする水瀬ちゃんに首を傾げる。
私が知らない間にかなり仲が進展していたみたいだ。
あの真堂がここまで水瀬ちゃんに付き合ってあげるなんて。
「そういうお前らはどうしたんだよ?」
「私達も似たような感じだよ、ね、せ、世那さん?」
「……………………」
隠そうともしない敵意にもはや為す術なし。
普通の人なら気まずくて場所を移動するだろうに、あろうことか真堂は世那の横に腰を下ろした。


