気まぐれ王子と召使い


昼休み、世那が私を屋上に誘った。

正直、あんなクラスでご飯を食べる気には到底なれないから丁度良かった。


世那が私の作ったお弁当を食べて、その横に私が居て。
意外とそんな日常だけでも楽しいのかもしれない。

そう思ってるのに、屋上から見える旧校舎を見てなんだか悲しくなった。


(世那は居なかったけど…真堂達と行った旧校舎探検、楽しかったなぁ)


水瀬ちゃんはツンツンしてるけど、悪い子じゃないし、琥珀君だってちょっとズレてる所があるけど根は良い子だ。

真堂だって、世那が思うほど悪い人じゃないと思うけど……



「信用して傷付くのが一番怖いからね」


「?何の話してんだ?」


「いや…世那さんが居れば安心だなぁって話だよ」



そう言うと、世那は目を細めて少しだけ嬉しそうな顔をした。

そう、これでいい。

私には世那が居るんだから、他は別に必要ない。


母さんも、"世那ほど私を想ってくれる人は居ない.って言ってたし、これで良かったんだ。


旧校舎を見ながら食べるお弁当の味はいつもより味気ないような気がした。