「でもさー、山吹さん?ってちょっとオドオドしてて変わってるじゃん?世那君がああいうタイプ苦手じゃないの意外だなーって」
「それ思ってた!山吹っていきなり話しかけられると"あっ"って絶対言うんだよな、悪いけどちょっと笑っちゃったよー」
「キャハハ!なにそれ、典型的なコミュ障じゃん!」
ゲラゲラと人を嘲笑する声が聞こえる。
普段関わりがないクラスメイトが私の事をそんなふうに思ってたなんて。
私が居ない時はいつもこうやって私の悪口を言ってたの?
ダラダラと汗が身体中をつたう。
体の芯から冷め切ってしまうんじゃないかと思ってしまうこの空間から早く逃げ出したい。
それでも、世那の言葉に期待をしていた。
世那なら、きっと私を守ってくれるって、
「まぁ、あいつコミュ障だよ。俺以外友達居ねーし」
馬鹿にするでもなく、かと言って庇う訳でもない。
"ただ事実を伝えただけ"と言うような世那の態度に、周りの人間は更にケラケラと笑い声を響かせていた。
世那は正直者だ。
そこがいい所でもあって、そこがダメな所でもある。
そんなの、私が一番よく分かっているけど。
それでも、今だけは私に寄り添う言葉が聞きたかった。
気付いたら教室の前から走り出していた。
世那にどこに行ってたんだって問いただされても良い。
今はただ、ここから逃げ出したかったから。


