慌ててクラスに戻り、扉を開けようとする時だった。
「世那君って、なんで山吹さんと一緒に居るのー?」
「えー、私も気になってた!なんか全然合ってない感じするよね〜」
「あ、俺聞いた事あるわ!世那と山吹って幼なじみなんだろ?だからずっと一緒にいるって!」
教室のドアガラスから見えた光景。
世那の周りに、普段は接点のないクラスメイトが集まっている。
私の席には話したことの無い所謂"一軍"と言われる種類の女の子が座っていて、その机には無遠慮に男子生徒が胡座をかいて座っていた。
ドッと汗が吹き出る。
なんで、どうして、普段世那と関わりのないクラスメイトがこんなにも周りに居るのか。
私が世那と居る時、一回も話している所なんて見たこと無かったのに。
……あ。
(もしかして、私が邪魔だったから……?)
だから、私が居ない時はいつもこうやって皆は世那と話しているんだろうか。
「うっせーなぁ…お前らには関係ねぇだろ」
世那は面倒臭そうに気怠げに答えた。
その言葉が聞けたのがまだ救いだった。
これで、もし世那が私の悪口を言っていたらきっと立ち直れなかったから。
世那の周りを取り囲んでいる生徒達はそれでも世那に話しかけていった。


