(世那が中学の時にしたこと…)
頭を巡らせても何も思い浮かばない。
「真堂、まさかお前世那の弱みを言いふらしてるんじゃ…」
「俺じゃないって。でも、涼井に恨みを持ってるやつが言いふらしてる可能性はあるかもな」
「世那に恨みを持つ人なんて……」
居ない、と言い切れないのがまた歯がゆい所だ。
正直、世那のことを疎ましく思ってる人間はかなり多いだろう。
男女問わず羨望の眼差しを向ける事があれば、その逆も然りだ。
気に入らないと思う人間だって同じぐらい居るかもしれない。
胸がチクチクと痛む。
ふと時計を見ると、もう既に昼休みに入ってから15分程過ぎていることか分かった。
「あっ、そろそろ戻らないと…!!じゃ、またね、甲斐君、真堂」
「あ、あぁ、うん。世那のことよろしくな、夕香里ちゃん」
甲斐君の言葉にこくりと頷き、急ぎ足で教室に戻る。
真堂が相変わらず観察するように私を見ていたのが気になるが、これ以上時間が掛かると世那に疑われてしまう。


