気まぐれ王子と召使い



「そっか、分かった。じゃあ、今日は真堂に会うのやめようかな。お話中の所をお邪魔するほどの用でもないし…」




「俺がなんだって?山吹」




後ろから聞こえてきた声にハッとして振り向くと、そこにはいつものように笑みを浮かべた真堂が立っていた。



「真堂!随分早かったな、三木に会いに行ってたんじゃないのか?」


「三木?俺はただ1組のやつにノート借りに行ってただけだけど」


ほら、と見せるその手には確かに世界史のノートがあった。

どうやら三木雫に会いに行ったというのは甲斐君の勘違いだったらしい。



「あれ、水瀬ちゃんは?一緒じゃないの?」


「ノート借りに行くだけなのに、なんでわざわざ一緒に行くんだよ?」


「となると入れ違いになってそうだなぁ…いやー、水瀬には悪いこと言ったな」



あちゃーと気まずそうに頭を抱える甲斐君。

だけど、水瀬ちゃんが居ないのは私にとっては話を進めやすくて好都合かもしれない。