気まぐれ王子と召使い


水瀬ちゃんはそんな世那の反応に少し狼狽えながらも負けじとキッと睨みつけた。


「し、知らないわよ!詳しくは……だけど、そう聞いたから、アンタが三木雫に変なことさせてんのかと…」


「顔すら思い出せねぇ女の事なんか俺が知るかよ……そんなに気になるならその女に聞いてみろよ、俺は一切関係ないから」



本当に?

あの反応は関係ないのに疑われた反応と言うよりは、"バレたくない事を気付かれていた"反応に近い。

でも、真堂にハニートラップを仕掛けてどうしようって言うんだ。


水瀬ちゃんは少し納得いかない顔をしているものの、これ以上言っても無駄だと思ったのか「分かったわよ…」と私達を横目で見て足早に校門に向かって行った。


世那の顔を恐る恐る見上げると、気分を害したように端正な顔をくしゃりと歪ませ周りに聞こえる程の舌打ちをした。


(……やっぱり、裏があるに違いない)


世那は私に隠し事をしているのを改めて痛感して、少し胸が傷んだ。