気まぐれ王子と召使い


「……お前が、なにか俺に言いたいことがあるなら、今ならちゃんと聞いてやる…だから、今言えよ」


そんなこと、急に言われても。

眠くて頭があまり働かないのに。



「う〜ん……」



言いたいこと……




「……世那は、私のこと捨てないでくれる…?」



「…………」


「…………」


「………………」


「…………え?せ、世那さん……?」


「……それ何回も言ってんだろ………」



深いため息をつかれてしまった。

暗くて世那の表情はよく見えない。



「…お前こそ、俺から離れたら許さないからな」


「離れられないよ、そう簡単にさぁ…」



「でも、きっかけがあれば離れるのが人間だろ」




…………



「そうだとしても、私はずっと一緒に居たいなぁ… 」





暗闇の中で呟いた言葉は宙に浮かび、シンとした静寂の中に消えていった。