「ずっと泣いてた夕香里を世那君は献身的に支えてくれてたじゃない…あんなに夕香里を想ってくれる人、他に居ないわよ…?」
「…………そりゃ、あの時のことは本当に感謝してる…ずっと感謝してるけど……」
中学二年生の夏。
本当の意味でクラスでひとりぼっちになった時、助けてくれたのは世那だけだった。
本気で死にたいとすら思ったあの時を救ってくれたのは、間違いなく世那ただ一人だ。
だからこそ、恋愛というただの"男女の関係"で見られたくない。
私と世那の絆は、もっと深い所にあるって信じてるんだ。
口を閉ざして沈黙を貫いていると、お風呂から上がった世那が上機嫌でリビングに来た。
「ふぅ〜さっぱりしたー……って、なに?この空気感…」
私と母さんを交互に見てキョトンとした顔をしてる。
気まずい雰囲気にしたくなくて無理矢理笑顔を作った。
「い、いや、別に……?わ、私!私もお風呂入ろっかな〜!」
「?おう」
訝しげに私を見る世那から逃げるように駆け足でお風呂場に向かう。
なにが優しい目だ。別にいつも通りじゃないか。
ムカムカとする心を抑えながら、シャワーの水と共に全て洗い流してくれれば良いのにと理不尽に思った。


