気まぐれ王子と召使い


世那と恋人同士とか、考えたくない。

友達のその先とか、考えるだけで怖いし、想像もつかないよ。


「夕香里は他に好きな人がいるの?」


「居ないよ、居ないけど……世那とはただの友達だよ。向こうだって私のこと眼中に無いだろうし…」


「そんな事ないわよ、世那君ね、夕香里のことすっごく優しい目で見てるのよ?私と話してる時も夕香里の方ばかり見て…」


「いい加減にしてよ、そういう目で見てるからそう見えるだけでしょ?そんな勘違いされて世那もいい迷惑だよ…」



ギュッと拳を握る。

なんで他の人ってすぐに男女の関係に持ち込もうとするんだろう。
私達はそんな浅い関係じゃないのに。



「夕香里……中学二年生の時のこと、覚えてる?学校に行けなくなった夕香里を、世那君が一生懸命支えてくれてた時のこと…」



思わずピクりと体を揺らす。

思い出したくもない記憶が蘇ってくる。