「ご飯も食べた事だし、世那君お風呂入る?」
「あー、じゃあお言葉に甘えて」
ニコッと爽やかに微笑む世那に母さんは私の方をチラチラと見ながら「きゃー!」と叫んだ。
さっきから気になってたけど、このミーハーみたいな叫びはいつになったら止めてくれるんだろうか。
母さんがお風呂場に世那を案内してる間に、溜まった食器を片付ける。
あからさまに舞い上がってる自分の母親を見ると複雑ではあるけど、微笑ましくもある。
先程の光景を思い浮かべて思い出し笑いをしていると、母さんが再び戻ってきた。
「もう、本当に世那君ってカッコいいわよねぇ…芸能人みたい…」
「まぁ……そうだね」
実際街中を歩いてるとしょっちゅうスカウトされてるみたいだから、世間的に見ても世那の容姿は優れているんだろう。
性格さえ直せればもっとモテそうなのに、と思わなくもないが、あれはあれで世那の魅力でもあるから難しい所だ。
母さんは私の目をジッと見つめたあと、視線を下に逸らし口元に笑みを浮かべた。
「……本当、世那君みたいな素敵な人、そうそう居ないわよ?今恋人も居ないみたいだし……夕香里からも世那君にアピールとか…」
「だから、そんなんじゃないって…やめてよ、そうやってすぐに恋愛に繋げようとするの」
全身がざわざわとする奇妙な感覚になる。


