気まぐれ王子と召使い




「きゃー!世那君久しぶり〜!!」


「おひさー、おばさん」


ヘラりと笑う世那に母さんは「きゃー!」とまるでアイドルを見るかのようなキラキラとした視線を向けている。

急遽世那が泊まりに変更になったことに怒る所か、母さんは舞い上がっているみたいだ。


「ちょっと夕香里ー!?元々カッコよかったけど、世那君たら見ないうちにすっごくカッコよくなってるじゃない〜!これじゃ女の子も放っておかないわよねぇ」


「まあねー、今はフリーだけど」


「やだ!夕香里!今が狙い時じゃない!世那君に猛アタックしないと!」


「やめてって、母さんそういうの……」



よくもまぁ本人がいる前でそんな事言うよ…

世那と恋愛とか考えた事もないし、想像するのすら世那に怒られそうだ。
少しうんざりとしながら母さんに呟くと、母さんは「もう恥ずかしがっちゃって〜」と全く取り合ってくれなかった。


「今日はケーキ買ってきたの!ささ、二人とも食べて!」


鼻歌でも歌い出す勢いでケーキの入った箱をテーブルに置くと、箱をすぐに開いて世那は「じゃ、俺ショートケーキにしーよう」と楽しげにケーキを取り分けた。