「お味はどうですか、世那様」
「塩辛い」
でしょうね。
煮物をなんとも言えない顔で咀嚼する世那に申し訳ない気持ちになる。
「まぁ食えん事もない。もう一個の方は普通に美味いし」
「ありがたきお言葉」
やっぱり手作りを褒められるのがなんだかんだ一番嬉しいなぁ。
もぐもぐと食べ続けていた世那は「そう言えば」と視線をこっちに向けた。
「おばさん今日遅いの?」
「え?あー、母さんは予定通りだと20時ぐらいって聞いたけど…」
「ふーん、結構遅いな。ま、元々泊まりの予定だったし良いけど」
へ?泊まり??
「泊まりって誰が??」
「俺しか居ないだろ」
「いや!いやいやいや……初耳だけど…」
「あの女が一日家に居んだからしょーがないだろ。大丈夫、明日の夕方には俺も帰るから」
泊まる立場でよくもまあここまで図々しく居れるもんだ。
うちの母親に連絡したとて、快諾するのは目に見えてるけど、なんだかなぁ。
不思議と心がざわざわとしながらも、携帯の電話を鳴らした。


