確かに世那の言う通り、桜木先輩は特別になりたかったんだと思う。
だから私を引き合いに出したんだろう。
だけど、世那があそこまで怒る理由が分からない。
「……世那、大丈夫だよ……私は世那の味方だから…」
分からなかった、何を言えば正解なのか。
だから世那の手を両手で包み込んで、安心させてあげることしか出来なかった。
世那が自由に生きられないのは私も悲しいよ。
辛い出来事も悲しい出来事も全部経験しないで、明るく真っ直ぐ生きて欲しい。
それがきっと私の幸せでもあると思う。
世那の表情が柔くなり、ふと笑みを零した。
「……お前、本当分かりやすいよ」
「え?また顔に出てた?」
「俺が悲しそうだと、自分も悲しいって顔してた」
先程までの顔とは違い、穏やかで優しい笑みを浮かべている世那に、私は照れ笑いを返した。


