気まぐれ王子と召使い


「世那さんは自由で良いなー」



何気なく呟いた言葉に世那は目をぱちぱちとさせた。


「お前も授業抜け出せばいいだろうが」


「私がやったら調子乗んなって思われるだけですよ…世那だから許されるんだよ」


「ふぅん、どーでも良いこと気にすんだな、お前」



どうでも良いこと、か。

世那は孤立した経験とか味わったことなさそうだし、そういう考えになるのも無理はないか。

人と違う事をするのは勇気が必要なんだけど、世那には無縁の話だろう。


突然、世那がピタリと歩を止めた。

世那は冷え切った鋭い眼光で前を睨み付ける。

私もそれにつられて視線の先を追うと、美しく微笑む桜木先輩の姿があった。



「世那君、久しぶり……」