「巻き込むつもりはない。それに、甲斐には関係ないだろうが」
「関係あるっつってんだろ、世那は俺の友達だ」
「ハッ、向こうはそう思ってるか怪しいけどな。アイツは人の気持ちなんて微塵も考えられねぇ奴だぜ?お前のこと、利用するだけして最後は御役御免って捨てられるに決まってる!」
「お前に世那のなにが分かるんだよ!!」
「知るかよ!あんなクズ野郎の事なんか分かってたまるか!!」
あ、この光景はデジャヴだ。
早崎は甲斐君の胸倉を掴みあげると、鬼気迫る顔で睨み付けた。
世那に前にした事と同じことを甲斐君にしている。
そして、そのまま殴りかかりそうな勢いの早崎をなぜか甲斐君はギュッと抱き締めた。
「は?なにすっ、」
「いい加減にしろーーーー!!!」
そう早崎に怒号を浴びせると、甲斐君は早崎をそのまま力強く抱き上げた。
思わぬ展開に「おおっ」と感嘆の声を洩らす真堂と、その光景を呆然とした様子で眺める私。
早崎の背中からはパキパキパキッと軽快な音が鳴り、苦しそうに悲鳴をあげている。
「あだだだだ!!!バカっ、てめ下ろせ!!」
「うおおおおお!!!」
「いでででででッッ!!分かった!!ギブギブ!!」
足をジタバタとさせ目をギュッとつむりながら叫ぶ早崎に、甲斐君はやっと腕の力を緩め早崎を地面に下ろしてやった。


